桓たい×陽子／やたず様

　　　『薄紅の花』

　華やかな装束を脱ぎ、今はいつもと同じ男物の官服を纏っているというのに、彼女から『女』の香りが去らないのは、おそらく落とされることなく留まっている紅の所為…‥。

「どうか、お休みください……」

　桓タイは労わるように腕の中に抱いた少女に囁く。その言葉に少女はありがとう、と呟くが緋色の髪を肩から滑り落ちさせながら頭（こうべ）を振る。
「立ちくらみがしただけだから……」
「無理をしてお倒れになったらどうするおつもりですか？」
「看病してもらう」
「誰に？」
「桓タイに」
　当然という口振りだ。少女は男の胸に顔を押し付けたまま問う。
「嫌か？」
「時々、『そうだ』と答えたくなることがあります」
「嫌？」
　再び問う彼女の紅唇を桓タイは軽く啄ばむ。
「勿論、嫌なはずが無い」
　彼の返答に卒然と少女がざわめくような笑声を零した。
「どうかなさいましたか？」
「…‥何でもない。ただ‥‥」
「ただ？」
「嬉しくて……」
　女の幸せに浸った柔らかな声だった。暫しの間、彼の胸に凭れ掛かっていた彼女だったが不意に何かに気付いたように言葉を紡いだ。
「すまない」
「何がですか？」
　彼女はくすくす笑うと男の着物の襟元を指先でなぞる。細い指が示す先は薄紅が花を咲かせていた。
「汚してしまったな」
「洗えば済むことです」
　大したことではないと言う彼に、彼女は嫣然と微笑んで首に腕を絡み付けた。翠玉のような瞳が、近い。
「では、これも」
　赤い唇が彼の口を塞ぐように押し付けられる。
「洗えば済むな？」
　紅を男の唇と着物に移した女王は艶やかに夜の別れを告げた。
「お休み、青辛将軍」

　了

2002.09.08

……やたず様のコメント……

きちんと桓陽になったでしょうか？（どきどき）

PCは本家制作で使用していたので携帯電話で書きました。
そして恒例の加筆修正をしてアップ。とお決まりのコースですね。
いつもなら多分、絶叫モノのシーンと台詞を連発しています。

てっきり！　てっきり「ちびクマ」で想像していた私は漂うアダルトな雰囲気にドッキリ。

説明しよう！

ちびクマとはやたずさんのところで進行しているめっちゃかわいい「こぐま」の桓タイのことなのだ！！

これが腰砕けのめっちゃかわいい桓タイで！！
ぜひみてくださいまし！！
トラップって所にあるッス。

さらに、この小説、またもや携帯小説！！

私、オフの時にそれを見ちゃいました！！　ナマで！！　携帯小説！！

実際に打っているところは見ていないけど……すげえ早さで打っているんだろうなー。

近頃、電車の中で携帯をいじっている人を見ると、小説を書いているのかも……と疑うようになった私がいます（笑）

これも本編を製作中というからたまらないッス！

さらにこの小説、私にとってはめっちゃ意外な……

桓タイから先にチュウ！！！

目から鱗でございます！！

桓タイから先にチュウ！！

なぜか陽子が先に、というイメージがあったので、んもー！　ビックリ。

そして新鮮ｖｖ

きゃあきゃあｖ　桓タイからチュウだよ～ｖｖ
一人で大盛り上がり。

最後の陽子の一言がまたビシー！と決まっていてかっこいいｖｖ
最後の一言が物語を締めるって言うのは本当にすごいです！
桓タイ、じゃなくて、青将軍ってところがまたｖｖ
最後にハッとさせられました。

やたずさん、本当にありがとうございました～ｖ