パラレルギャグ／りょく様
『歴史管理戦隊トコヨファイブ』
これは、間違った歴史、狂いを生じさせようとする者達を裁く為に戦う戦士たちの物語である！
♪〜〜〜ちゃらちゃらーちゃっちゃちゃ〜〜〜〜♪
「第三十八話 謎の美女！ タイ・ノースからの救援要請！！」
「危険だレッド！ 奴らは奇妙な『呪術』を使ってくるじゃないか！！」
いつも意見が合わず喧嘩ばかりしているレッド相手に、髪をポニーテールにしている美丈夫――ナオタカ・コマツ――ブルーは真剣に諌めた。
対する紅い髪に碧の力強い瞳を持つ少女――ヨウコ・ナカジマ――レッドは力強く言い切った。
「何を言っているんだ、ブルー！ タイ・ノースはあの歴史の所為でこんなにまで歪んでしまっている！！ 君も私もタイキと同郷であるには変わりがないじゃないか！」
二人の話は、平行線である。
何故、彼らトコヨファイブのトップ２が言い争っているかというと…。２日前に話を遡らなくてはならない。
＜２日前＞
トコヨファイブの所属している「歴史管理情報捜査局」の本部前に、とある女性が駆け込んできた。
普通「歴史管理情報捜査局」に辿り着く事は、常人には不可能である。何故なら、本部は次元の狭間にあり、常人には「見えない」からだ。だが、その女性――隻腕の女性兵士と見られる――は、「認定者」であったらしい。トコヨファイブと階位は下がるがかなりの地位についているようだ。
その女性から放たれた言葉は、偶々救護したトコヨグリーン――虎嘯――を驚愕させるに十分であった。
「どうか！ タイ・ノースを救ってください！！！」
それは、タイ・ノースからの初めての「救援要請」であったのだ！
悪の権化ア・センによる歴史改竄によって、「現在」は様々な悪影響を受けていた。それを未然に防ごうとしているトコヨファイブにとって、ア・センの本拠地となっているタイ・ノースからの脱出者は、重要な参考人となるのである！！
女性兵士は、リサイと名乗った。タイ・ノースの首都警護隊隊長であったという。さまざまな理由が彼女をその地位から引き摺り下ろし、片腕を無くすほどの困難をあたえた。だが、彼女はここへたどり着いたのだ。
リサイから、そこまで聞き出すとレッドは後をショウ・ケイ監視師とスズ・オオキ医療師に任せ、ブラック（浩瀚）とグリーン、そして彼女のキリン（景麒）がいる作戦本部へと急いだのであった。
更に、時は流れて３日後。
＜物語にありがちな強制最終シリーズ突入！！＞
「く！！ このまま時空の狭間からの調律ではタイ・ノースからの攻撃に遣られてしまいます！どうするんです、レッド！！！」
ブラックが得意のインテリジェック・チューンを仕掛けても、何ら反応がなかった。
彼らの敵、ア・センは掟破りの強さで持って、トコヨファイブを翻弄していた。
「このまま個別のチューニングを仕掛けても、奴に勝つ事はできぬと違うかえ？」
バイオレット（氾王）が自身の必殺技であるチューン・ザ・カラーを仕掛けても、ア・センは奇妙な呪術でもって無効化するのであった！
その時、ア・センを倒すための「鍵」を握る人物を探していた特殊能力者たち、キリンのリ・セツが駆け込んできた！
「ついに見つけたわ！ コッキよ！！ タイ・ノースのタイキ・カナメがいる時空をレン・リンが見つけたわ！！！」
「本当か！！ レッド、今彼を此方に連れてこなければ俺達もタイ・ノースも危ないぜ！」
グリーンはア・センからの度重なる攻撃に、すでに体がボロボロである。５人の必殺技を使うための余力確保の為に救護室にいたのを、スズに無理を言って連れて来てもらっていたのだ。
「そうです。今タイキを現在に引き戻さなくてはいつ戻すというのです！」
珍しくケイ・キが力説すると、ロク・タが同調する。
「チビを早く連れ戻してくれ！幾らなんでも悲しすぎる！！！」
「今なら、時空調律＜タイム・チューン＞が可能です！！」
医療師のスズ、実はトコヨファイブのオペレーターである彼女は『特別ライセンス』の画面を既に表示させていた。
「ブラック！ 時空移動＜タイム・トラベル＞に必要な要素を算出しろ！！ ブルー！ 女神使者ヘキカへ『パスワード』を請求してくれ！」
「了解しました。……要素算出終了！ データをスズへ送信します！！」
「ヘキカのバアさんからの『パスワード』を貰ったぜ！」
ブルーがショウ・ケイへ『パスワード』を投げよこす。彼女もまたトコヨファイブのオペレーターであったのだ！！
「データ揃いました。…ショウ・ケイ！ パスワードの入力を！！」
「『特別ライセンス』発行承認！ ファイナル・パスワード入力します！」
カタカタカタ！！ パスワード入力とともに、ショウ・ケイのキーボード上辺の緊急パネルが開く！
「レッド、『特別ライセンス』取得完了！！ チューニング・ドライバーの召還を！！」
♪〜ちゃららちゃっちゃっちゃちゃ〜♪
トコヨファイブ全員によるチューニング・ドライバー召還の準備が整った！
それぞれの愛用武器に収まっているパワー・ストーンを召還門の定位置に収める。
ぱぁぁぁ！と七色に光る召還門！ 皆の期待にこたえるように、レッドが叫ぶ！
「我が呼び声に応えよ！ チューニング・ドライバーァァァァ！！！」
その声とともに、召還門が開きトコヨファイブの秘密兵器チューニング・ドライバーがレッドの手の中へ飛び込んできた。
「ブルー！ タイキを必ず連れ帰って来いよ！！」
レッドが時空移動門を生じさせる前にブルーを激励する。
「猿山の大将のお前でも、これくらいならできるだろうて」
「頼みます、ブルー」
「アンタしか頼めないことだからな！！！」
皆の激励に、不適な笑みを浮かべる漢・ブルー！
「じゃあ、行ってくる！ レッド、門を開け！！」
時空移動門を開こうとする、レッド。皆からのパワー・ストーンの力が流れ込んでいるとはいえ、かなりの苦痛が襲う！ だが！！！
「改竄された歴史を正す為、悪しき者ア・センの犠牲者タイキを導く為、その力発揮し、時空の扉を今開かん！！ チューニング・ドライバァァァァァッ！！」
ごごごごごごごご！
いま、時空の門が開かれた！
「どうか！ どうか我らの希望の子タイキをお救いください！！！」
隻腕の女隊長リサイが涙を浮かべながら、時空の扉から流れる光を見つめていた…。
ちゃちゃちゃ、ちゃらっちゃちゃちゃちゃ〜〜♪
悪しき者たち倒すため〜
正義の鉄槌打ち落とす！
行け！（GOGO！ ）トコヨファイブ！
走れ！（ＲＵＮＲＵＮ！） トコヨファイブ！
皆の夢と希望と未来を守る為、悪のア・センを打ち破れ！（ぐわっははは！）
歴史の重みと、歴史の儚さ知る者達〜
僕らの未来を守る為、日夜戦うつわものさぁ〜
それは、それは僕らの勇者〜〜〜！
歴史管理戦隊トコヨファイブ〜〜〜♪
作詞・作曲リョク・フォレスト
うた・スズ・オオキ＆ショウ・ケイ
「次回！衝撃の最終回！！」
タイキ召還を見事に果たしたトコヨファイブたち。
だが、ア・センの魔の手は歴史管理情報捜査局の内部にも迫っていた！
最終決戦が迫る中、彼らはどうなるのか！
そして、レッドをめぐる男たちの戦いは誰が勝者に！！
スズとショウ・ケイの抹殺光線から生還したものとは！！
『第４０話 限りない未来の為に…』
「皆の日常と未来の為に、時空を駆け抜けろ！ トコヨファイブ！」
陽子は飛び起きた。
こめかみを汗がつたう官職がして、目に強い酸味を感じる。あわてて何度もまばたきをして、そうしてやっと深い息をついた。
「夢……」
声に出したのは確認しておきたかったからだった。ちゃんと確認をして、自分に言い聞かせないと不安になる。
「あれは…あんな戦隊モノの夢を見るなんて…そんなに私は見たかったのだろうか、子供のころに…」
彼女の台詞に、答えてくれるものはいなかった。
…例えあの蒼猿といえども。
＜終劇＞
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| 2003.05.18 |
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チューニング・ドライバァァァァァッ！！
きゃーーーー！！！！！
ステキだーー！！！
ステキだーーーー！！！＞＜
りょくさん最高！ もう、大爆笑。
最初は名前が読みにくかったんですけど、途中からもう引き込まれる引き込まれる！！
女神使者ヘキカ、とか本当にありそうな名前があったりして（笑）
氾王様は紫だし（笑）
いまだかつて紫のレンジャーは見たことがない！ ステキだ〜ｖｖ
紫以外の色が想像できないですもん！（笑）
他に似合うとしたら……白銀？
白じゃなくて、白銀！
太陽光線反射しまくりで！（笑）
「まぶちーーーー！！！」
言葉や流れが職人技！
巧みだわ〜ｖｖ このマニアチックさがたまりませんｖ
ショウ・ケイの「『特別ライセンス』発行承認！ ファイナル・パスワード入力します！」
悶絶。
これ！！ これが良い〜！！！
ぞくぞくしました！
こういう台詞大好き〜！！！
子供のころは戦隊ものを見て育った私なので、
頭の中で音楽とかが構成できてしまうのでよけいに笑えましたｖ
いやなんというか、大人になってからも勇者シリーズとか見ていたけどねｖ（笑）
一度脚本とか書いてみたいくらい好きｖ
いや、私の場合設定好きだから原案を（笑）
脚本を書ける技術はねえッス（泣）
最後のオチがまた上手い！
陽子、子供のころに幼なじみとかの家に行って一度だけ見てそうｖ
女の子教育のパパが戦隊モノを見せるはずがないし、
でもきっと見たかったんだろうな〜ｖｖ
なんとなく、陽子ってドラマは見てなかったけど水戸黄門とか時代劇は見てそう、とか思うのです（笑）
自分の好みに関係なく、父親が見ているものを自然と見てしまう感じで。
りょくさんｖ 楽しい小説を本当にありがとうございます〜ｖｖ
４０万ヒットありがとうございました！！ これからもよろしくお願いいたしますｖ
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